不動産特定共同事業における不動産の「小口化」とは
不動産クラウドファンディングの比較サイト|クラウリングです。
不動産特定共同事業(不動産クラウドファンディング)について語られる際に必ず出てくる「小口化」という言葉。
分かるようで分かりにくい表現だと思いませんか?
不動産を小口化した商品が「ファンド」として各サービスサイトに掲載されています。
しかし、そもそも小口化とはどのようなことなのでしょうか?
今回は、「小口化」とはどのような意味か?不動産を小口化した背景と、そうするメリットなどについて深掘りいたします。
投資初心者の方にも分かりやすく解説できればと思いますので、事業者の方も、お客様への説明時の参考にしていただければと思います。
「小口化」とは?

「小口」というのは、扱う金額・数量の少ないことを意味します。
つまり、不動産の小口化とは、1つの物件の所有権を切り分け、少額ずつで小分けにして販売するイメージです。
具体的に言うと、
3500万円の不動産を1口10万円に小口化し、最大350口に分けて販売。
複数の人から少しずつ出資を募集することで対象の不動産を購入。
その運用益を、各出資者に分配金(リターン)として、持ち分の小口数に応じて配当する。
不動産小口化商品は、1口数万円~100万円程度に設定されるのが一般的。
少額からでも不動産投資ができる商品として注目されています。
不動産を小口化する理由

一般的に広く知られる不動産投資は、不動産を購入し、賃貸物件として運用する方法。
ただ、この場合、最低でも1千万円以上の商品が多く、ローンを組むのが定石。
そこそこの高所得者か、安定収入の見込める職業でなければ難しいものでした。
当然、不動産会社も富裕層や医師、教師など、ターゲットを絞って営業をしていました。
しかし、世間の投資や資産運用への関心の高まりとともに、不動産投資の業界でも、なんとかターゲット層を広げられないかということもあり、整えられたのが不動産特定共同事業法です。
不動産特定共同事業による不動産小口化商品なら少額から出資が可能。
一般の人も投資がしやすくなりました。
これにより、事業者はターゲット・顧客の拡大が見込めます。
顧客(投資家)にとっては出資へのハードルが下がるとともに、商品の選択肢増に。
そして、地方の不動産も出資対象にしやすくなったことから、空き家問題への対策に使えるなど、行政や自治体も活用できます。
不動産の小口化は、様々な面でメリットのある画期的なアイデアだったのです。
不動産小口化商品とREIT(リート)の違い

複数の投資家から出資を募って不動産を運用し、その利益から配当を分配する。
という点ではどちらも共通している不動産小口化商品とREIT(リート)。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
不動産小口化商品
・不動産特定共同事業は上場していない
・現物不動産に対しての出資となる
・価格変動は緩やかな傾向で、ミドルリスク・ミドルリターンな投資と言われる
・不動産の管理・運用は運営会社が行うが、どの物件に出資するかは自分で選ばなければいけない
・現物不動産の保有者となり、相続対策になる場合もある
REIT
・J-REIT投資法人は証券取引所に上場している
・証券取引所を通じて投資を行う為、不動産投資法人に対しての出資となる
・常に価格が変動し、値動きが激しい為、ハイリスク・ハイリターンな投資に分類される
・不動産の運営(管理)や運用(物件の目利きも含む)はプロが行う
・不動産を保有するわけではないので、相続対策にはならない
このように、不動産小口化商品とREITはそれぞれ異なる特徴があります。
リスク面から見ても、特に投資初心者には不動産小口化商品がオススメでしょう。
小口化により様々な相乗効果が期待できる?

不動産小口化商品の登場により、一般投資家もかなり増えてきております。
それはただ単純に顧客が増えているというだけでなく、実績を増やすことにもなります。
ということは、事業者の信用UPにも繋がります。
多くのファンドでの成功実績があれば、従来の高額な不動産投資への出資を検討する層にも安心感を持ってもらいやすくなるでしょう。
そうして不動産投資商品全体の底上げができれば、当然売り上げも増え、また良い物件を手に入れて運用して…
という好循環が生まれます。
不動産業者にとっては、新規顧客・信用・売上の相乗効果が期待できる、魔法のような事業と言えるでしょう。
まとめ
これまで不動産投資といえば、家1軒まるごと、アパート1棟、マンションの1室などをまるごと1人で購入・運用するのが当たり前。
一部の富裕層や、安定収入の見込める公務員、医師などがする投資と思われていました。
ところが小口化商品の登場で出資単価が大幅に下がり、手頃な投資が可能になりました。
これにより投資家層が拡がり、不動産投資業界は新たな賑わいを見せています。
小口化のメリットを活かし、一般の人々をいかに投資家にするか。
それこそが、今後の不動産投資業界のさらなる成長にかかってくるでしょう。
従来の不動産投資を行っていた事業者様にも、いままで不動産投資はしたことがなかった事業者様にも、不動産小口化商品は参入のメリットがあります。
もし、まだの事業者様はぜひ、一度検討してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人
クラウリング運営会社 サイバーブリッジ株式会社 西本
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