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不動産投資では減価償却を上手に活用しよう

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法人の不動産投資では減価償却を上手に活用できます。

今回は、減価償却という分かるようでよく分からない、節税のメカニズムについて解説していきます。

  1. 経費計上による所得の減少
  2. キャッシュフローの改善
  3. 将来の税負担の平準化

これら3つのテーマを中心に、減価償却による節税のメカニズムを確認していきましょう。

減価償却とは

減価償却とは

まず減価償却とは、法人が購入した不動産(建物や設備など)が経年劣化や使用年数によって価値が下がることを考慮し、価値の減少分を会計上で経費として計上する手法です。

これにより、合法的な節税スキームが構築できます。

不動産投資を事業として行う場合は知っておかなければならない知識です。

経費計上による所得の減少

減価償却によって計上される経費は、法人の所得を減少させます。

これにより、課税所得が減少するため法人税の負担が軽減されます。

利益が減れば、納めるべき税金が減るという仕組みを利用するのが減価償却です。

キャッシュフローの改善

税金の負担が軽減されると、それだけ企業の手元に残る現金が増えます。

これにより、他の投資や事業展開がしやすくなります。

将来の税負担の平準化

不動産の価値が時間とともに減少することを前提としているため、将来的にも税負担を平準化することができます。

減価償却によるキャッシュフロー改善

減価償却の活用でキャッシュフローを改善する

キャッシュフローとは、企業が一定期間内に得た現金と支払った現金の差額を指します。

このキャッシュフローがプラスであれば、企業はその分、他の投資や事業展開に使える現金が増えていきます。

では、なぜ減価償却によってキャッシュフローが改善されるのでしょうか?

税金の節約

減価償却によって計上される経費は、企業の課税所得を減少させます。

それにより法人税の負担が軽減されます。

この節約された税金分が、キャッシュフローを改善する要素となります。

現金の有効活用

税金の節約によって手元に残る現金が増えると、その資金を他の有益な投資や事業に回すことができます。

これにより、さらなる収益を上げる可能性があります。

資金調達の容易化

キャッシュフローが改善されることで、企業の信用力が向上する可能性があります。

これにより、将来的に資金調達を行う際に有利に働くことがあります。

減価償却期間の算出方法

建物の減価償却期間の計算方法

実際に減価償却期間の算出方法を紹介します。

まず、前提条件として減価償却は建物にのみ適用されます。

土地に関しては価値が減るものではなく、減価償却は適用されないので注意が必要です。

建物の構造により償却期間は異なる

建物の償却期間は、法定耐用年数と築年数によって異なります。

具体的な期間は以下の通りです。

建物の構造法定耐用年数
鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)
鉄筋コンクリート造(RC造)
47年
鉄骨造34年
軽量鉄骨造19年
木造22年
*減価償却資産の耐用年数(建物/建物附属設備)国税庁HPより抜粋

新築の建物の減価償却期間の計算方法

新築の建物を購入した場合、減価償却期間は耐用年数通りになります。

建物の構造法定耐用年数
鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)
鉄筋コンクリート造(RC造)
47年
鉄骨造34年
軽量鉄骨造19年
木造22年

例えば、4,400万円の木造アパートを新築で建てた場合、耐用年数は22年で減価償却費は年間200万円です。

中古の建物を購入した場合の減価償却期間

では、購入した物件の築年数が法定耐用年数の一部を経過している場合は、どのように計算すれば良いのでしょうか。

この場合は以下の計算式に当てはめていきます。

築年数が法定耐用年数の一部を経過している場合の計算方法

減価償却期間 =(法定耐用年数 – 経過年数)+ *経過年数 × 20%

例えば、築12年の木造アパートを購入した場合、減価償却期間は次の通りです。

(22年-12年)+ 12年×20%=12年

*1年未満の端数は、6月以上は1年、6月未満は切り捨てます。

築年数が耐用年数を超過している場合の減価償却期間

不動産投資用に購入したアパートが既に法定耐用年数を超過している場合はどうでしょうか。

計算式は次の通りです。

築年数が法定耐用年数を経過している場合の計算方法

減価償却期間 =法定耐用年数 × 20%

例えば、築30年の木造アパートを購入した場合、減価償却期間は次の通りです。

22年 × 20%=4年

不動産投資と減価償却

不動産投資と減価償却

不動産の減価償却は、帳簿上の価値を減少させる税法上のルールです。

減価償却によって、事業利益を減らし、その分現金を残していきます。

そのため、賃料や節税によるキャッシュフローで残した現金によって不動産の簿価が下がります。

結果的に、売却時の原価も下げることができ売却益が出しやすくなります。

減価償却の具体的なイメージ

ここで減価償却の仕組みについて具体例を交えながら紹介していきます。

あなたが1億円で隣のビルを購入したとします。

このビルの減価償却率が5%とした場合、年間で500万円を経費として計上できます。

この500万円が法人税(ここでは分かりやすく30%とします)で節約できる税金となり、150万円の税金を節税することができます。

減価償却は企業の税負担を軽減する有効な手段となります。

ただし、減価償却にはルールがあり、適用できる条件や計算方法には多くのバリエーションがあるため、専門家のアドバイスが必要です。

減価償却を上手に活用して利益を残す

不動産投資と税金は密接に関係します。

そして、減価償却を理解して実践することで、数字を上手に管理できます。

減価償却を理解して、税金について理解すれば、不動産投資でより多くの利益を残すことができるようになるでしょう。

この記事を書いた人

クラウリング運営会社 サイバーブリッジ株式会社

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