不動産特定共同事業

不動産特定共同事業者の種類 ~第2号事業者編~

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不動産クラウドファンディングの比較サイト-クラウリングです。

先日の第1号事業者編でもお話した通り、不動産特定共同事業の許可には4つの種類があります。

2号事業者は、不動産特定共同事業者でありながら、自らが不動産を運用することはありません。

第1号事業者や、特例事業者のために契約の締結を代理、もしくは媒介をする事業者を指します。

実際に投資家から集めた資金による資産運用をしない分、必要な資本金は第1号事業者より少なく、また、不動産クラウドファンディングの広まりから需要が高まっている第2号事業者。

しかし、投資家と運用事業者の間に入って、一時的にでも出資金を預かる立場には違いありません。

その責任や信用(出資者財産の保護)のため、お金の管理については一定の義務もあります。

今回はそんな第2号事業者について詳しく見ていきましょう。

第2号事業者の定義・スキーム

第2号事業者スキーム

第2号事業者は、不動産特定共同事業契約締結の代理もしくは媒介をする事業者

と定義づけられています。

第2号事業のスキームでは、資金需要者(不動産小口化商品を組成し、資金を必要とする者)自身は投資家への勧誘(募集業務)をせず、他の不動産特定共同事業者(第2号事業者)にそれらを委託します。

その後、資金需要者は投資家と契約を締結し、不動産を取得・運用、その収益を各投資家に分配・償還する、という流れです。

委託を受けた事業者が投資家への勧誘をする業務のことを第2号事業と言います

ファンドの運用や出資者への還元など、他の業務を行うことはできません。

出資者の募集も含めて全て自社で行うのが第1号事業なので、業務内容は大きく異なります。

第2号事業者になる要件

不動産特定共同事業の第2号事業者は、自らが不動産を運用することはなく、出資の募集代行や契約の仲介をする役目。第1号事業者ほどの金銭的ハードルはありませんが、特有の出資者保護義務も存在します。どの許可を取り、事業を行うか?比較検討の参考にぜひ、ご覧下さい。

第2号事業者になるためにも、まずは不動産特定共同事業の許可要件を満たす必要があります。

参考:不動産特定共同事業の許可の要件(国土交通省)

その上で、第2号事業者に必要な資本金は1,000万円です。

第1号事業者の1億円と比べると、ずいぶんハードルが下がったかと思います。

これはやはり、投資家の財産を預かる期間の長さや、直接契約を結ぶ立場かどうか、資産を運用をするかどうかが大きく影響します。

第2号事業者はあくまでも投資家の募集と、契約の代理もしくは媒介といった仲介業にあたるので、そこまでの財産的基礎・財務の健全性は求められないということかもしれません。

とはいえ、投資家からすると同じ不動産特定共同事業者。

大金を預かる立場であることに変わりはないので、安定した経営や公平・誠実な運営を行い、信頼を積み上げることは必要です。

第2号事業者特有の義務が存在

また、第2号事業者には第1号事業者には無い要件が存在します。

顧客との契約を媒介し、多額の金銭を預かる立場にあるため、信託会社への金銭信託などの方法による分別管理(顧客財産保護)が義務付けられています

分別管理とは、

金融商品取引業者等が、投資家から預かった財産と、自社の財産を分けて管理(保管)することを定めたもので、元々いわゆる証券会社(第一種金融商品取引業者)に義務付けられたものです。

不動産特定共同事業法(不特法)でも、投資家保護の観点から、この分別管理を義務付けているのです。

分別管理をすることで、事業者が顧客財産を流用することを防ぎます

ところが、この分別管理には2つの方法があり、

1つは、単純に事業者の資産管理口座と異なる口座を作り、別々に管理する方法。

もう1つは、信託銀行等に信託する方法で、「顧客分別金信託」と呼ばれます。

第1号事業者や小規模第1号事業者は前者の方法でも良いのですが、第2号事業者は後者の方法(顧客分別金信託)が義務付けられています。

その理由は、前者の方法の場合、口座が分かれているとはいえ結局は自社の管理下に置かれているため、万が一その事業者が破綻した場合には、分けた出資者の財産も保全されない危険が高いからです。

それに対して後者の顧客分別金信託の場合は、万が一事業者が破綻した場合でも、信託銀行等(受託者)から受益者代理人を通じて、各投資家へ資産を安全に返還することができます。

第2号事業者は第1号事業者ほどの資金力を求められない分、倒産乖離ができる顧客分別金信託が義務化されているということでしょう。

まとめ

第2号事業者は、自らが不動産を運用することはなく、投資家と第1号事業者の間に入って仲介する役目。

出資の募集や投資家の勧誘、契約の締結代行や媒介を行う事業者です。

直接、顧客財産を扱う(資産運用する)わけではないので、第1号事業者ほどの財産的基礎・財務の健全性は求められません。

しかし、一時的とはいえ、出資金を預かる立場であることには変わりありません。

その顧客財産保護の観点から、信託会社への金銭信託などの方法による分別管理が義務付けられており、この点が第2号事業を行う為の要件となります。

最近はインターネット上で出資を募る不動産クラウドファンディング(電子取引業務)が主流になってきているので、第2号事業者の重要度も高まってきています。

これから不動産特定共同事業への参入をお考えの事業者様は、第1号事業者から第4号事業者までの4種類のうち、どの許可を取り、事業を行うか?

それぞれ許可される業務内容や要件を知り、検討してみて下さい。

次回は第3号事業者を解説予定です。

この記事を書いた人

クラウリング運営会社 サイバーブリッジ株式会社 西本

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