不動産特定共同事業

不動産特定共同事業法の適用除外となるファンド組成法はある?

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不動産クラウドファンディングの比較サイト-クラウリングです。

不動産特定共同事業不動産クラウドファンディング)を行うには、不動産特定共同事業法(不特法)に基づく営業許可登録が必要です。

許可要件は、一定の資本金や宅地建物取引業免許の保有、業務管理者の設置など。

一番シンプルなスキームで事業を行えるのは1号事業者や2号事業者。

しかし、その参入ハードルはかなり高いと言えます。

では、そんな不特法の許可要件を軽くする(適用除外となる)方法はないのでしょうか?

今回は、通常の不動産特定共同事業とは異なる、許可要件の軽いスキームでの事業展開方法をご紹介します。

一般的な不動産特定共同事業とは

まず、最も一般的な事業スキームがどのようなものかを改めて解説します。

それは、1号事業者が出資を募集(もしくは2号事業者が募集業務のみ媒介)し、運用~分配金の配当、元本償還までを行うスキームです。

誰もが目指す最高点である1号事業者。

しかし、そんな1号事業者になるには厳しい要件があります。

資本金は1億円、充分な財産的基礎の確立、業務管理者の設置などです。

そこに関わる2号事業者もまた、投資家から預かる出資金の分別管理(顧客財産保護)が義務付けられているなど、リスク対策の徹底が求められます。

そう簡単には、一般的なスキームでの事業を行えないと言えるでしょう。

小規模不動産特定共同事業

小規模不動産特定共同事業とは、その名の通り、不特事業の規模の縮小版です。

平成29年の不特法改正によって新たに創設された事業で、不特法の適用除外というわけではありませんが、前述の一般スキームでの事業よりは、比較的参入ハードルは低めに設定されています。

その分、扱える不動産、出資金に制限が設けられています。

メリットとしては、

まず資本金要件が1000万円なので、1号事業者と比べると10分の1

そして、要件を満たし、申請書を提出しさえすれば、事業者登録が可能になることです。

一般の不特事業は許可制なので、要件を満たした上で、審査を通過して許可証の発行を受けなければなりませんでした。

また、設置が義務付けられている業務管理者に関しても、小規模の場合は業務管理者資格講習が受けられます。

デメリットとしては、

投資家一人あたりから受けられる出資額に上限があること。

従来の不特事業では、基本的に一人あたりの出資額に上限はありません。

しかし、小規模不動産特定共同事業では、投資家一人あたりの出資額は100万円が上限です。(特例投資家からの出資は1億円まで)

また、投資家からの出資総額にも上限があります。

1つのファンドに対して受けられる出資額は1億円までと定められています。

不動産特定共同事業における特例事業

特例事業とは、不動産特定共同事業契約に基づく収益・利益の分配を行なうことを目的とする法人SPC、特別目的会社)が実施する事業を指します。

実施するための許可は不要で、届出のみで可能。

また、SPCは宅地建物取引業の許可を受けたり、宅地建物取引士を置いたりする必要はありません

事業者にとっては非常に参入しやすい制度です。

ただし、SPCは自社だけでは事業を行うことはできません。

それぞれの業務を、許可を受けた不特事業者に委託する必要があります。

投資家から出資を募集したり、契約したりする業務は、第4号事業者に仲介を委託

そして、ファンドの運用(不動産の取引や管理など)は、第3号事業者に委託されます。

また、特例事業には、通常の不特事業には無い独自の要件や成約が存在します。

一つは、特例事業による不特事業契約では、金融商品取引法上のみなし有価証券とされること。

それにより、金融商品取引法の規制も適用されるのです。

(参考:金融商品取引法について(金融庁))

もう一つは、特例事業では、一定の規模を超える宅地の造成又は建物の建築に関する工事などを行う場合、出資可能なのはプロ投資家(特例投資家)に限定されることです。

これは、扱える事業の規模に制約があることになります。

不動産特定共同事業における適格特例投資家限定事業

唯一、不特法の例外措置のような事業と言えるのがこの適格特例投資家限定事業

2017年の不特法改正により新たに創設されました。

この事業は、出資してもらう相手を適格機関投資家のみに限定することで、不特事業の許可が無くても、届出のみで行なえます

また、自社でファンド組成+不動産取引を行う場合には宅建業の免許が必要ですが、不動産取引業務を他の宅建免許保有業者へ委託する場合は、自社は免許が無くても良いのです。

つまり、不特事業の許可も、宅建の免許も無くして、不動産ファンドの組成ができます

ファンドのスキームも通常の不特事業とほぼ同じ。

ただし、この適格機関投資家のみに限定されることが最大のネック。

2023年8月末現在、適格特例投資家の届出を行っているのはたったの13事業者。

(国土交通省:適格特例投資家届出一覧参照)

そもそもの母数が少ないのです。

ただし、適格特例投資家というのは不動産投資のプロであり、資金力のある事業者ですから、その出資の規模は大きいことが予想されます。

小規模ファンドを扱うには不向きと言えるでしょう。

また、届出た後、いざ事業を行うとなると、不特法による厳しい行動規制があります。

情報管理の徹底から、事業内容や財産状況を記載した書類の保管と、希望する事業参加者に閲覧させる義務、分別管理の実施義務などです。

適格特例投資家限定事業者になること自体は難しくありませんでしたが、結局は事業を行う上で不特法に従うことになります。

まとめ

不特事業には様々な事業形態があり、その許可要件も様々です。

しかし、いずれも何かしらの形で不特法による規制対象となります。

つまり、事実上、適用除外となるファンド組成はできません。

とはいえ、不特事業に参入したいけど、許可要件が厳しくて…

とためらっている事業者様にとっては、様々な選択肢があることを知っていただきたいと思います。

今回紹介した、小規模不動産特定共同事業、特例事業、適格特例投資家限定事業のいずれかであれば、要件をクリアできるものもあるはず。

ぜひ、自社の状況や、やりたい事業を考え、いずれかの許可取得を検討してみて下さい。

この記事を書いた人

クラウリング運営会社 サイバーブリッジ株式会社 西本

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