不動産特定共同事業の業務管理者になるためにどうすればいいの?
不動産クラウドファンディングの比較サイト-クラウリングです。
今回は、不動産特定共同事業の事業者になるために必要な要件にあたる「業務管理者」について解説していきます。
年を追うごとに不動産クラウドファンディングが注目され許可事業者の数も増えてきてきました。
今、不動産購入の新たな資金調達手段として注目の不動産特定共同事業ですが、事業許可を得るために「業務管理者」の設置が必要になるのです。
不動産特定共同事業の事業者になるために必要な業務管理者とは?
事業者になるためには様々な要件を満たす必要がありますが、この「業務管理者」の問題をクリアすることが、大きなハードルで一筋縄にはいきません。
それが、「業務管理者」の設置です。
不動産特定共同事業では、多くの出資者から資金を募り、集まったお金で不動産を運用することになります。
したがって、不動産の選定から運用管理において、出資者の利益を害することのないように適切な業務の遂行が求められるのです。
投資家から預かったお金を保護するためにも、業務を適正に遂行する必要があり、社内業務をきちんとチェックできる体制を整えなければなりません。
これらが業務管理者の役割で、不動産特定共同事業においてはある意味で、会社の代表者よりも大きな責任を背負うことになるわけですね。
業務管理者になるために必要な条件
不動産特定共同事業の「業務管理者」になるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
その条件は以下の通りです。
- 1、許可を受けようとする者の従業者であること
- 2、宅地建物取引士であること
- 3、次のア~ウのいずれかに該当する者であること。
ア、不動産特定共同事業の業務に関し、3年以上の実務の経験を有する者
イ、主務大臣が指定する不動産特定共同事業に関する実務についての講習を修了した者
ウ、登録証明事業から上記アと同等の能力を有するとの証明を受けている者(不動産コンサルティングマスター、ビル経営管理士、不動産証券化協会認定マスター)
になります。
1と2に関しては、不動産事業者であれば、その要件を満たすことが可能ですが、3の要件を満たすことは簡単ではありません。
多くの事業者は、この”3つ目の条件”をクリアするのに苦労しています。
「不動産特定共同事業に従事して3年以上の業務経験があること」については、新たに不動産特定共同事業者の許可申請をする場合は、自社業務には該当しませんので、他社からの転職者の中に該当者がいるかどうかの確認または求人募集によって人材の確保が必要になります。
「主務大臣が指定する不動産特定共同事業に関する実務についての講習を修了した者」については、現時点において不動産特定共同事業の業務管理者向けの講習が実施されていないため、この要件を満たすことはできません。
「登録証明事業から上記アと同等の能力を有するとの証明を受けている者(不動産コンサルティングマスター、ビル経営管理士、不動産証券化協会認定マスター)」については、いずれかの資格保持者を探さなければなりません。不動産コンサルティングマスターと不動産証券化協会認定マスターについては、一定年数の実務経験が求められるので、即座にというわけにはいきません。
このように、不動産特定共同事業の業務管理者になるために必要な条件をクリアするためには、これらの資格所有者を確保しなければならないのです。
小規模不動産特定共同事業の登録をしてステップアップする方法も
不動産特定共同事業の業務管理者になるためには、越えなければならないハードルがあります。
運よく、要件を満たす従業員が社内にいればよいのですが、そのような社員がいない場合は、求人募集をしたり、自社で資格を取得するしかありません。
ただ、それ以外にも小規模不動産特定共同事業の登録後に3年以上の実務経験を積むという選択肢があります。
小規模不動産特定共同事業の業務管理者についての要件も不動産特定共同事業と同じになりますが「主務大臣が指定する不動産特定共同事業に関する実務についての講習を修了した者」に関しては、主務大臣が指定する実務講習が開催されています。
これにより、業務管理者の要件をクリアしやすくしています。
小規模不動産特定共同事業の場合は5年毎の登録制になりますので、そこで小規模事業者の実務経験を3年以上積み、不動産特定共同事業の業務管理者にステップアップするということが可能になります。
実務的な面においても、小規模不動産特定共同事業で経験を積み、そこからステップアップすることで、事業を成功に導くことができます。
もし小規模不動産特定共同事業を運営中に、業務管理者の要件を満たす人材の確保ができたタイミングで、許可申請を出すことも可能です。
この方法は、一見遠回りに感じるかもしれませんが、業務に慣れるという意味でも合理的な方法ではないかと個人的には思います。

この記事を書いた人
クラウリング運営会社 サイバーブリッジ株式会社 櫻井
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